壁面緑化を楽しもう
壁面緑化を楽しもう!

■TOP ■壁面緑化のタイプ別分類 ■街で見かけた壁面緑化 ■壁面緑化用の植物の選択
■我が家の壁面緑化 ■東京23区の壁面緑化の助成金(2007.10現在)

壁面緑化用の植物の選択
■植物の選択
壁面緑化を行うには、どの植物で緑化するかの選択も重要です。逆な言い方をすれば、壁面緑化の目的や、 かけられるコストによって、植物の選択も変わってくるのです。
壁前植栽の時は、普通に樹木を植えるだけなので、結果が想像し易いので、説明は省きます。
ここでは「つる植物」について、考えてみたいと思います。
つる植物の場合、大きく分けて「付着性植物」「巻つる性植物」の選択、 「常緑樹」「落葉樹」の選択、 「多年草」「一年草」の選択が必要になるでしょう。

■付着性植物と巻つる性植物
ステンレスワイヤ−やネット等の補助材を用いず建物の外壁に直接植物を登攀させる為には、ヘ デラやナツヅタ等の付着根を持つ植物を選択する必要があります。補助材が要らないのですから、 当然コストは低くなり、プランタ−を用いず地植えにすれば、潅水設備も必要ではなく、プラン タ−のコストも掛からないので、極端に言うと費用は苗木代だけでも可能です。
但し、付着根が外壁を傷める可能性がある場合や、外壁の仕上げに全く凹凸がなく、付着が困難 と思われる場合は、繊維マットを補助材として用います。繊維マットを補助材にする場合は、ス テンレスネットと併用して使う事例が多いようです。
巻つる性植物で壁面緑化を行う場合には、ワイヤ−やネット等の、植物を巻付かせる為の補助材 が必要です。巻つる性植物はこの補助材に登攀するので、付着性植物のように、建物を傷めたり 汚したりする心配は少なくなります。
代表的な巻つる性植物にはトケイソウ、クレマチス、ノウ ゼンカズラ、アケビ、ムベ、テイカカズラ等があります。これらはいずれも多年草で、綺麗な花 を咲かせたり、秋には実を付けるものが多いので、それぞれの特徴を生かして、寄せ植え風に植 栽すれば、長い期間、季節の花を楽しむことも出来るでしょう。
ユニットタイプ程ではないにしろ、補助材を使った緑化にはかなりコストが掛かります。 各メ−カ−のカタログを見る限り、3万円/u程度は覚悟しておいた方がいいでしょう。

■常緑樹と落葉樹 ( 多年草 )
壁面緑化の植物を選択する際、「付着性植物」「巻つる性植物」の選択の他に、 「常緑樹」「落葉樹」の選択も重要です。
常緑樹にはヘデラ、キヅタ、ムベ、カロライナジャスミン等あり、「落葉樹」にはナツヅタ、ノ ウゼンカズラ、トケイソウ、クレマチス等があります。
夏場の壁面温度の上昇を防ぐことが目的で壁面緑化を行うなら、冬場に葉がある必要はありませ ん。晩秋に真っ赤に紅葉するナツヅタを植えれば、秋の楽しみも増えるわけです。常緑樹でも、 全く葉が落ちない事はありませんが、落葉樹を植える場合は、近隣への気配りが必要です。
多年草常緑樹の具体例
多年草落葉樹の具体例

■ 一年草
ここ2〜3年、各地の小中学校や町役場等で、ゴ−ヤで壁面緑化を行っているのを、ニュ−スや ワイドショ−で報道しています。ゴ−ヤは丈夫で育てやすく、雌雄別花で受粉の勉強にもなるの で、教材として適しているばかりでなく、地球温暖化に対するさまざまな取り組みの一環として、 壁面緑化が教育の場に、取り上げられている事も示しています。
一年草なら、冬には枯れてしまうのですから、補助材にも恒久的なステンレス製のワイヤ−や ネットを使う必要はなく、園芸用のロ−プやネットでも充分です。我家でも、ゴ−ヤの壁面 緑化にチャレンジしてみました(詳しくはこちら)が、プランタ−と土は元々あった物を使ったので、費用は数千円し か掛かりませんでした。水遣りには雨水を利用している事は、言うまでもないでしょう。
本格的に補助材を使った壁面緑化は、まだまたかなりコストが掛かります。家庭で壁面緑化を始 めるには、手始めにまずは費用のあまり掛からない、ゴ−ヤ等の一年草から試してみる事を、お 勧めします。一年草巻つる性植物には、ゴ−ヤの他にもヘチマや朝顔など馴染の深い植物があ るので、気軽にチャレンジしてみてください。
一年草の具体例

多年草 常緑
ヘデラ(アイビ−)
ウコギ科、常緑、つる性低木、付着登攀性植物
原産/ヨ−ロッパ、西アジア、北アフリカ
日向を好むが、真夏の直射日光は苦手。
日影でも育てる事が出来るが、育成状態は悪くなる。
寒さには強く、-5℃以上の場所なら育てられる。 種類は大小500種類以上あり、アイビ−とは愛称で ヘデラが正式名称。
カロライナ ジヤスミン
マチン科、常緑、つる性低木
原産/北アメリカ南西部
花期/4〜7月、香りの良い黄色い花を咲かす。
暑さには強く、寒さにも比較的良く耐える。
日当りが良く、排水が良い肥えた土壌を好む。
花の香りがジャスミンに似ているのでこの名が付いたが、 花、茎、葉、根の全てに毒性があるので注意が必要。
ムベ(トキワ「常緑」アケビ、ウベ)
アケビ科、常緑、つる性木本
原産/日本〜中国(分布/本州関東以西の温暖な地域)
花期/4末〜5月
アケビに似た実を付けるが熟成しても開裂しない。
テイカカズラ
キョウチクトウ科、常緑、つる性低木
原産/日本、朝鮮半島(分布/九州・本州の温暖な地域)
花期/5〜6月、白く香りの良い花を沢山付ける。
葉の形は成熟度によって異なる。
冬季には紅葉し美しい。
挿し木でも増やせ、性質は丈夫。
日影でも良く育つが、花の付きは悪くなる。
キヅタ(フユヅタ)
ウコギ科、常緑、つる性木本、付着登攀性植物
分布/本州、四国、九州、沖縄
花期/10〜11月、結実期/翌春
秋に黄緑色の小さな花を沢山付け、翌春黒い実が熟す。
日向または半日陰に向く。耐寒性、耐暑性共に強い。
夏蔦と比べ茎が木に近いので「木蔦」。
常緑で冬も落葉しないので「冬蔦」と言う。
ツキヌキニンドウ(突抜忍冬)
スイカズラ科、半常緑、つる性低木、巻つる性植物
原産地/北アメリカ
花期/4月末〜9月、
開花後は外側がオレンジ色、内側が黄色いトランペット 型の花を沢山咲かせる。やがて外側も紅色に変わる。
日向を好み、暑さにも大変強く、耐寒性もあるが、寒さ が厳しいと地域だと落葉する。
スイカズラ(吸葛) ニンドウ(忍冬)
スイカズラ科、常緑、つる性木本、巻つる性植物
分布/日本全土(欧米へも帰化している)
花期/5月〜7月、花の色が白⇒淡いピンク⇒黄に変化し、 黄色と白が混在する様子から、金(黄)銀(白)花と言い、 寒さに耐え、冬に葉を落とさないので忍冬とも言う。
日向を好み、多少湿気のある土地を好む。
暑さに強く、耐寒性もある丈夫な植物です。

多年草 落葉
ナツヅタ(夏蔦)
ブドウ科、落葉、つる性植物(付着登攀性植物)
原産/日本、中国、朝鮮半島
花期/4〜7月、結実期/10〜11月
直射日光下で育てる。耐暑・耐寒性は非常に強い。
耐陰性もあるが、なるべく日向で育てる。
甲子園球場を覆うのがナツヅタ。
紅葉した姿がなかなか美しい。
ノウゼンカズラ
ノウゼンカズラ科、落葉、つる性木本(付着登攀植物)
原産/中国、北アメリカ(分布/日本各地)
花期/7〜8月、真夏の炎天下にオレンジ色の花を咲かす。
一日中日光の当たる場所育て、冬場は落葉するので不要な 枝を剪定する。
強光を好み、暑さにはかなり強く、日当りが悪いと開花 しない。寒さには-5℃程度まで耐える。
トケイソウ(時計草)(パッションフラワ−)
トケイソウ科、落葉、つる性低木(巻つる性植物)
原産/ブニジル(世界中で栽培される)
花期/6〜8月、結実期/9〜10月
パッションフルーツというのはトケイソウの実の事。
Passionとは「情熱」ではなく、「キリストの受難」のこと。
日当りを好むが耐陰性も強く、少ない日当りでも育つ。
種類が多く、耐寒性は異なるので注意する。
クレマチス(鉄線、風車)
金鳳花科、常緑と落葉のものがある多年草
つる性(草本・半木本・木本)(巻つる性植物)
原産/日本を始め欧州、中国、アメリカなど世界中で確認
花期/4下旬〜6月下旬
原類で300種以上あり「蔓植物の女王」と言われている。
一般に寒さには強く、日当りを好むが、真夏の直射日光には弱い。
アケビ
アケビ科、落葉・半落葉、つる性木本(巻つる性植物)
原産/本州、四国、九州、中国、朝鮮半島
花期/4〜5月、結実期/9〜10月
春に淡紫色の花を咲かせ、実は熟すと縦に割れ白く 泡状の甘い果肉と種が現れる事で「開け実」と言う。
耐寒性は強く、0℃以上で越冬する。
蔓はカゴ等の細工物に利用される。
キウイフル−ツ
マタタビ科、落葉、つる性木本(巻つる性植物)
原産地/中国(分布/ニュ−ジ−ランド、イタリア、日本)
中国原産のオニマタタビが、ニュ−ジランドで改良される。
花期/4〜6月、結実期/11月頃
雄雌別株なので、結実させたい時は雌雄両株を植える。
耐干、耐水、耐風性に弱いので、水捌けの悪い場所では 盛り土などの対策が必要。暑さには強く、耐寒性もある。
フジ
マメ科、落葉、つる性木本(巻つる性植物)
分布/日本、北アメリカ、東アジア
日本の固有種としてフジ(ノダフジ)とヤマフジがある。
花期/4〜5月、淡紫色や白色の花を房状に垂下げて咲か す。藤棚を作り、古くから日本人に愛されて来た。
日向を好み、暑さ寒さに強い。

一年草
ゴ−ヤ(苦瓜)
瓜科、一年生草花、つる性植物
原産/インド (沖縄を代表する野菜)
花期/7〜9月、結実期/8〜10月
24℃〜25℃で発芽し、雌雄別花で黄色い花を咲かせる。
地植えでなく、プランタ−を利用した小規模栽培が可能。
病害虫に強く日本の広い範囲で栽培が可能で、実だけで なく、葉や茎も食用に出来る。
朝顔
ヒルガオ科、一年生草花、つる性植物
原産/熱帯・亜熱帯ヒマラヤ高原
花期/7〜9月、種まきは気温が上がる5月
日本朝顔と西洋朝顔の二つに分類される。
日本朝顔は巨大輪で、直径20cm以上のものもある。
西洋朝顔は遅咲きで、花はさほど大きくないが、生育旺 盛で、蔓も良く伸びるので、生垣にも利用出来る。
ヘチマ
瓜科、一年生草花、つる性植物
原産/インド
(日本には江戸時代に渡来したと言われている)
花期/7〜9月、結実期/9〜10月
若い実は食用にもなるが、成熟した果実はタワシに用い られる。
ヘチマ水は化粧水や民間薬としても使われている。



>壁面緑化を楽しもう!TOP
■壁面緑化のタイプ別分類
■街で見かけた壁面緑化
■壁面緑化用の植物の選択
■東京23区の壁面緑化の助成金(2007.10現在)
■我が家の壁面緑化

設計工房アクトデザインのHOME


■省エネ、ローコストで住宅設計・住宅リフォーム・マンション設計・設計監理を行う世田谷の設計事務所 ■