壁面緑化を楽しもう
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壁面緑化を楽しもう!

■壁面緑化のタイプ別分類 ■街で見かけた壁面緑化 ■壁面緑化用の植物の選択
■我が家の壁面緑化 ■東京23区の壁面緑化の助成金(2007.10現在)

■壁面緑化の意義と効果
近年、世界各地で異常気象が確認され、心配が現実のものと成りつつある、地球温暖化の原因の 一つに、ヒ−トアイランド現象があります。
ヒ−トアイランド現象とは、真夏の日中の陽射しで暖められた都会のアスファルト(道路、駐車場、 ビルの屋上等)やコンクリ−ト(ビルや住宅の外壁、 高速道路、擁壁等)が、夜になっても冷えずに 放熱を続け、エアコンなどの排気熱と相まって都市を熱し続け現象です。
湾岸沿いや都心に建ち並んだ高層のビル群が、風の道を塞いでいる事が、ヒ−トアイランド現象 を助長させているとも言われていますが、こちらは個人の力ではどうしようもなく、今のところ は国等の行政の取り組みに、任せるしかないでしょう。
個人や企業でも出来る対策の一つとして、ビルの屋上に土を入れて植物を植える屋上緑化は、オ オフィスビルやマンションの屋上、公共建築にも設置する事例は増えて来ましたが、最近になっ てやっと「壁面緑化」についても、テレビのニュ−ス等で取り上げられるようになりました。 色々な地方自地体の緑化の指導書を見てみると、屋上緑化と共に助成金の出る対象にも、なりつ つあります。
産業労働局農業試験場の行った調査では、ユニットタイプの壁面緑化を行った建物では、緑化を していない部分と比較すると、[ 最大 ]で10℃も温度の低減が確認されたそうです。
壁面緑化は屋上緑化と比べて管理や維持が難しく、まだまだ一般的になっていないかもしれませ んが、街の温度を下げる実際の効果もさることながら、街に「潤い」「安らぎ」「季節感」 を与えてくれます。緑のシ−ルドを通り抜けるそよ風は、とても気持ちの良いものです。実際の 温度だけでは測れない、「涼しげ」と言う感覚を大切にすることも、家庭での省エネルギ−を実 現する為には、重要なのではないでしょうか。
壁面緑化には、壁面温度の低減や、夜間の壁面からの放熱の制御等の、ヒ−トアイランド現象を 緩和する効果がある他に、植物によるCO2の吸収にも樹種によって少しは期待が出来るかも知れ ません。また環境問題に取り組む企業のイメ−ジアップ戦略として利用されたり、店舗の看板に する事例も見受けられます。勿論一般の住宅では看板は必要ないわけですが、綺麗な花が咲いた り、果実の生る植物を植えれば、楽しみながら家庭でも、環境にも貢献できるのです。
このように一石何鳥もの効果のある壁面緑化を、皆さんの家でも是試してみてはどうでしょうか。

■壁面緑化の現状
東京都の調べによると、都内で行われている壁面緑化の実態調査の結果、直接登はんタイプが 49%、壁前植栽タイプが34%をしめています。
この結果から、補助材を使ったりユニット式のデザインされた壁面緑化は、まだまだ普及してい ないことが分ります。デザイン性の最も高いと言われるユニット式にいたってはわずか1%です。

■壁面緑化の種類
一口に壁面緑化と言っても、色々な種類がありるので、整理してみましょう。
壁面緑化は大きく分けて、まず「登攀タイプ」「下垂タイプ」「壁前植栽タイプ」「ユニットタ イプ」の4つに分類できると思います。
壁面緑化と聞いて、まず思い浮かぶ建物に、甲子園球場や倉敷のアイビ−スクエア−が、挙げら れるのではないでしょうか。どちらも付着根を持つつる性植物を、直接建物の外壁に登攀させる 「直接登攀タイプ」で、もっともポピュラ−なタイプの壁面緑化です。プランタ−や補助材を使 う必要が無いので、低コスト行えますが、植物の管理は大変です。
建物の前の地面に直接中高木を植える「直前植栽タイプ」は、東京都の調査でも、案外普及して いることが分かります。直接壁に登攀させているわけでは無いので、建物を傷める心配も殆んど ありません。但し高木を植えて管理を怠ると、宮崎駿監督の「天空の城ラピュタ」のようになっ てしまうかも知れません。
反対に管理が一番し易いのが「ユニットタイプ」です。ここでは植物を組み込んだユニットを組 み合わせ、潅水設備も設けて商品化されたものを「ユニットタイプ」と定義しました。但し、シ ステム化された分、コストはかなり高くなり、一般の住宅に設置出来るものではありません。 「パネルタイプ」はユニット式の一部とも考えられますが、特徴がはっきりしているので、ここ ではあえて「ユニットタイプ」とは、分けて考えました。
ワイヤ−やネット等の補助材に、巻つる性の植物を間接的に登攀させるのが「間接登攀タイプ」 です。ココナッツ椰子等の繊維マットに、付着性植物を登攀させるものも「間接登攀タイプ」に 分類しました。ステンレス製のワイヤ−やネットを、商品化した物も増えていますが、ユニット タイプ程ではないにしろ、まだまだ、気軽に手を出せる値段ではありません
色々な行政機関が作っている、緑化ガイドを見ると、必ず載っていると言ってもいい「下垂タイ プ」は、バルコニ−に置いたプランタ−にアイビ−を植えたもの以外、本格的な実例を殆んど見 つけられませんでした。植物を下垂させるのは、思う以上に難しいものなのでしょう。
この他にも、マンションの外部廊下やバルコニ−に、プランタ−を取り付けて植栽するタイプ。 プランタ−と色々な補助材を組み合わせた複合タイプ。プランタ−と壁前植栽を組み合わせたも のなど、色々なバリエ−ションの壁面緑化が、既にあちこちで試みられています。

■壁面緑化のタイプ別分類
■街で見かけた壁面緑化
■壁面緑化用の植物の選択
■東京23区の壁面緑化の助成金(2007.10現在)
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